笑顔の口元にうつる真っ白な歯。

歯磨き粉のCMといえば、そんなイメージが定番だと思います。
逆にもしも歯が真っ黒だったら、、、びっくりしますね!

ところが日本には、なんと歯を黒く染める「お歯黒」の慣習が存在していたんです。

お歯黒の習慣が定着したのは、何百年もの間、漆黒が美しい色と見なされてきたことが理由のひとつとされているんです。

現代人が「白い歯=美しい」として歯のホワイトニングをするように、時代は変わっても美に近づきたいという思いに変わりはなかったようです。お歯黒の染料は鉄漿水(かねみず)と呼ばれる酢に鉄を溶かした液体で、これを歯に塗った後に、さらに野菜や茶から抽出したタンニンを上塗りすることで完成します。

またかつては、主に成人の儀式として15歳前後の少年・少女がお歯黒を行ったが、平安時代(794-1185年)の終わり頃には大人も含めて年齢を問わず、上流階級に広くこの習慣が普及したとのことです。

お歯黒は江戸時代にも主に富裕層の既婚女性の間で習慣となり、明治初期まで続いたようです。

 

高畑

五味デンタルクリニック